恋神様に願いを込めて

レンくんとメダルゲームやカーレースのゲームを一時間半ほどやって、トイレから帰ってくると、黒猫のぬいぐるみを渡された。



「え、でもいいの…?」


「うん。美羽ちゃん待ってる間だけやろうと思ったら、一発で取れたから。今日の記念にでももらってよ」



レンくんは本当に優しい。


告白をずっと保留にしたままの私を責めるどころか、変わらず優しく笑いかけてくれる。優しくしてくれる。



「…あ」


「ん?」


「この猫、誰かに似てると思ったら晃にそっくりだ…」



キラキラしている無邪気な瞳、にやりと笑うバカそうな顔。


今にも「美羽!」と言って動き出しそうだ。



「…ねえ美羽ちゃん。もう一つ寄りたいところがあるんだけどいいかな?」


「え?」



ゲームセンターを出て次にレンくんに連れて来られた場所は、近くのレンタルビデオ屋だった。


…晃がよく、私のためにビデオを借りて来てくれる。



「ちょっと探し物があってさー。あ、美羽ちゃんも好きに回っててよ。見つかったら迎えに行くね」


「あ、うん」