恋神様に願いを込めて

「はっ、じゃあ付き合えばいいだろ。知らないからな、俺は!」


「そうするよ!あんたみたいなバカと付き合うよりは百倍楽しいだろうし!」


「別に俺はおまえのことなんて好きでもなんでもないし!こっちこそ彼女作ろうと思えばすぐ作れるし、美羽みたいなうるさいやつじゃなくて可愛いやつ!」


「あーそう!もう帰ってよ!晃なんて大っ嫌い!」


「言われなくたって帰る!」



晃が荒々しく部屋の扉を閉めて帰っていった。


晃との喧嘩なんてしょっちゅうするけど、今回のはいつもと少しだけ違う気がした。


だからと言って、レンくんのことを悪く言う晃を許すつもりもない。…あっちが謝ってくれるまでは。





晃と喧嘩をしてから五日が経った。


同じクラスだから嫌でも顔を合わせてしまうけど、あの日から一言も話していなかった。


それにあんなに強気で晃と「付き合う」とか言ったけど、まだレンくんに告白の返事もできずにいる。



「美羽、パース!」


「はーい!」



もらったトスをアタックで決め切ったところで試合終了のブザーが鳴った。



「ナイスアタック!逆転勝利ー!」


「さっすが美羽」