恋神様に願いを込めて

晃はそう言ったが、そんなの嘘だってバレバレだ。


そっか、私のために…。



「…え?一緒に見るの?」


「あ?悪いかよ。どうせ美羽、これ見た後電話して感想言ってくんだろ。なら初めから一緒に見た方が早いじゃん」



…そうだ。晃はいつも映画館で見るのは嫌だと言うくせに、私が見たいと言っていた映画をわざわざレンタルして持って来てくれる。


しかも感想を一方的に伝える電話も、嫌々ではあるけど最後までちゃんと付き合ってくれるし。



「てか、あいつとのデートはどうだったんだよ?」


「え?あ、レンくんのこと…」



さっきのレンくんの告白を思い出してしまい、顔が熱くなる。



「えっと、告白…された」


「はあ!?まだ知り合って二日とかなんだろ!?それ、騙されてんじゃね?」


「そんなことないよ…!多分…。レンくん優しいし、嘘つくような人じゃないもん!返事も考える時間くれて今保留中だし、何から何まで優しい王子様みたいな人なの!」


「ふーん、けど優しいやつに限ってクズ男って多いからな」


「な…っ!そんな風にレンくんのこと言わないでよ…!レンくんはクズなんかじゃないし!気遣いもできて今日だって全部奢ってくれたし、会話とかもあっちから色々振ってくれて楽しくて…とにかく晃となんて比べ物にならないくらい理想な人なの!」