恋神様に願いを込めて

「…うわあ!?びっくりした…。何してんの晃?」



なぜか晃が家の前で座り込んで待っていた。



「いや、えっと…美羽の部屋のテレビ貸してほしくて。明日までのレンタルビデオ見たいのにうちのテレビは今兄貴が占領してて見れないからさ」


「別にいいけど、ずっと待ってたの?今日レンくんとデートだって言ったよね?あらかじめ言ってくれたら、帰ってから連絡したのに。それか部屋で待っててくれてよかったのに」


「…別にいいだろ。早くしろよ」


「何よ、貸すのこっちなんですけど」



むかっときたが晃と家に入る。


先に晃を部屋に行かせてから私はお風呂に入り、二階に上がる。



「またアクション系?…って、これ私が見たかったやつじゃん!えなんで、借りてくれたの!?」



床に落ちていたもう一つのレンタルビデオは、私がずっと見たかったけどなかなか見つからなくて諦めた少女漫画のアニメ版映画だった。



「あーそれこの前見つけたから借りといたやつ。貸すの忘れてた」


「やるじゃん晃!明日までだっけ?自分で返しに行くから、貸してよこれ。晃帰ったら見る!」


「いいよ今変えて。こっちはもう見たやつだし…じゃなくて!こっちは後で見るから…」


「…もしかして、最初からこれ貸してくれるために来た?」


「ちげぇよ!ついでだよついで」