二人の永遠がこの世界になくても

「とにかくうまくやろう。その子の願いを叶えればヨヅキは大丈夫になるんだよね?」

「うん、きっと」

「でもどんな願いを持ってるか分かんないよね」

「なんとなく分かるよ」

「そうなの?」

「うん。なんとなく、ね」

言いながら私はスマホでメッセージアプリを起動した。

あの子にメッセージを送る。

″明日、話がしたい″
そう送ったメッセージにはすぐに既読のマークが付いたけれど、しばらく返事は来なかった。

三十分くらい経って、もう一通送信した。

“私も退学するって担任に言ったの″

思った通り。
すぐに返事が来た。

″何言ってんの?″

″私に責任があるなら私が辞めるって言った。こんなことになるなんて思ってなかったからびっくりしてる。明日、二人で話せない?このまま終わりってなんか嫌じゃん″

″話したくない。それに夜月が辞める必要無いじゃん。私が弱かっただけなんだから″

″じゃあどうせこのままお別れするなら最後に本音教えて欲しいよ。何も言わないままは、そっちも気持ち悪いでしょ?″


またしばらく返事が来なくなったけれど、十分くらいして、返事が来た。

″分かった。明日の十時に駅前のカフェで″

″大通りの?″

″うん″

″分かった。ありがとう″

″絶対に一人で来てね″

春華にやり取りを見せる。
「とりあえず良かったね」って春華は安堵の溜め息をついた。

大通りのカフェは、春華が初めて私の前で力を使った日に二人で入ろうとしていた場所だ。

あの頃は春華のことをただ怪しんでいたし、何かと理由をつけてどうにか追い出すことばかりを考えていた。

こんなに大切な存在になるなんて思っていなかった。