二人の永遠がこの世界になくても

「お姉ちゃんみたいになるって何!?お姉ちゃんはずっと苦しんでたんだよ!荒れた時だってもっとちゃんと話を聞いてあげれば良かった。そうしなきゃ心を保てなかったんだよ。守って欲しかったんだよ本当は。なのに私はお姉ちゃんになんにもしてあげられなかった…。お姉ちゃんの人生を壊したあいつらと同じだって思ったまま私は生きていたくない!」

「いじめなんかしてないなら、友達は居てくれるなら逃げなきゃいいでしょ!なんであんたがそんなこと思わなきゃいけないのよ!そんなにママが憎いの!?」

「…どういう意味?」

「あんたは違うって思ってた。なのにこうやって…やっと順調になってきたって時にまた生活をぐちゃぐちゃにしてママを追い詰めて…。ママのことが憎いからやってるんでしょ!?」

「なんなのよそれ…。私はお姉ちゃんの時だってずっと我慢してた!いつも一人だったけど文句なんて言わなかったし勉強も家のことも頑張ったけど見てくれなかったのはそっちでしょ!?それに何が順調よ…パパだって出てくじゃん!」

「このっ…親不孝者!」

ママの手がそこら中の物を掴んで私にぶつけてくる。

テレビのリモコン、雑誌、私がリビングに放り投げていた鞄、手当たり次第に力任せに投げてくる。

そばに掴める物が無くなったら今度は素手でお構い無しに手をあげてくる。

やり返そうと思えば簡単にできた。
私はもう小さい子どもじゃ無い。
ママより力も強いはずなのに。

私はやり返せないまま顔を隠してジッと耐えていた。