「えっと…それで…私の高校の後輩の子…なんで決めたの?」
「泣いてたんだ。ゴミ捨て場のとこで」
「校舎裏の?」
「うん。それで話しかけたんだ」
「なんで泣いてたの?」
「飼ってる猫が居なくなったんだって。家の中で飼ってるから外に出したことはなくて、なのに掃除をする時にリビングの窓を開けてたらその隙に出ちゃったらしいんだ」
「うわぁ…。出たこと無い子なんでしょ。心配だね」
「もう一週間経つんだって」
「それは…。じゃあその子の願いは猫に帰ってきて欲しいってことかな?」
「そうだと思う。明日一緒に探しに行く約束したんだ。そのほうが状況的に都合いいからね」
春華は人に心を許させる才能がある。
会った瞬間にそんな約束まで普通はできない。
「男と二人だと気まずいと思うからさ、ヨヅキも行くことになってるから。いい?」
「それはいいけど…」
ホッとしてる自分が居る。
二人で探すのかと思ったから。
そんなの嫌だ。
悲しんでる女の子より自分の嫉妬をなだめてあげることが優先されていることに気づいてしまった。
私って嫌な子だ。
「泣いてたんだ。ゴミ捨て場のとこで」
「校舎裏の?」
「うん。それで話しかけたんだ」
「なんで泣いてたの?」
「飼ってる猫が居なくなったんだって。家の中で飼ってるから外に出したことはなくて、なのに掃除をする時にリビングの窓を開けてたらその隙に出ちゃったらしいんだ」
「うわぁ…。出たこと無い子なんでしょ。心配だね」
「もう一週間経つんだって」
「それは…。じゃあその子の願いは猫に帰ってきて欲しいってことかな?」
「そうだと思う。明日一緒に探しに行く約束したんだ。そのほうが状況的に都合いいからね」
春華は人に心を許させる才能がある。
会った瞬間にそんな約束まで普通はできない。
「男と二人だと気まずいと思うからさ、ヨヅキも行くことになってるから。いい?」
「それはいいけど…」
ホッとしてる自分が居る。
二人で探すのかと思ったから。
そんなの嫌だ。
悲しんでる女の子より自分の嫉妬をなだめてあげることが優先されていることに気づいてしまった。
私って嫌な子だ。



