姫を追放された私は一筋の光に救われた

「とっとと負けろ。飾りだったくせに。一度、姫から追放されたボロ雑巾のくせに!!」


「今度は何を言われても負けたりしない!」


そして、最後に勝ったのは……。


「っ……くそ。このオレが女に負けるなんて」



最後まで諦めずに戦った……私の勝利で幕を閉じた。


「雪菜姫が勝ったぞぉぉぉ!」


「おめでとうございます雪菜姫!」


「いい戦いだったわ。だから私の願いを一つ聞いて」


これ以上は一歩も動けないし、殴る気力は残ってない。人を殴るのって、こんなにも力が必要だったんだ。


「……けるなよ」


「蓮?」


「テメーがオレに勝てたなんて寝言言ってんじゃねぇー!!!!」


「!?」


「雪菜!!!!」


「雪菜お姉ちゃん!」


「っ……な、凪さ……」


「雪菜、大丈夫か?」


「私は大丈夫です。でも、凪さんが……」


一瞬、なにが起きたかわからなかった。

蓮は隠し持っていたナイフで私を刺そうとしたのだ。


リベンジマッチにおいて、禁止とされているのが武器の使用。

蓮は禁忌を犯したのだ。蓮は私に負けたという現実を受け入れられなかったんだ。


私は凪さんによって守られたけど、代わりに凪さんの背中にナイフが刺さってしまった。