姫を追放された私は一筋の光に救われた

「今日は一緒に風呂でも入るか?」


「それは恥ずかしいのでムリですっ」


「照れてる雪菜も可愛いな。俺から入ってくるから少し待っててくれるか?」


「はい」


凪さんと一緒にお風呂……すごく魅力的なお誘いだけど、中学生の私には早すぎる。

刺激が強すぎて凪さんと普通に話せる気がしない。


「ここには雪菜を傷つける奴はいない。
ゼウスはお前を裏切ったりしない。だから安心してくれ」


「……はいっ」


思わず涙腺が緩んでしまう。いつも以上に凪さんが優しい言葉をかけるから。


今さっきゼウスの姫になったばかり。絆を深めるのも今からなはずなのに、どうしてだろう。凪さんに言われたら安心してしまうのは。


凪さんは私を裏切ったりしない。それはお互いに好きだから、なのかな。


人を好きになると自分の心が安定する。
初めて人を好きになってやっとわかった。心も身体も全てが幸福で満たされる。