姫を追放された私は一筋の光に救われた

「顔出しをあまりしないせいでMoonの総長と姫を知らなかったんだ。こっちも気付けずに悪かった。雪菜がMoonの姫だったことを知ってれば、もっと大切にしたんだが」


「今でも十分すぎます。昨日はお風呂と着替えまで……それにお家にまで泊まらせてもらいましたし」


これ以上とないくらい贅沢なもてなしを受けた気がするのだけど。


「それよりも私がゼウスの姫になるって?それとMoonよりもゼウスが格上っていうのは?」


「雪菜が一般人だと思って部活だとか言ってたが、もう誤魔化しは必要ないな。ちゃんと全部話すから今日も俺のたまり場に……いや、俺の家に来ないか?」


「は、はい」


たまり場=お城のほうが凪さんのメイドさんたちもいて安心だったんだけど、凪さんのお家となると話は別。


昨日よりもハードル高いし緊張度マックスだよ。でも凪さんのこと知れるチャンスだし、なにより泊まる宿に困ってる。


凪さんが悪い人じゃないってわかったから安心しちゃって。


でも凪さんのお家ってことは誰かいるかもだし?まさか一人暮らしのお家に私を誘うわけ、ないよね?