姫を追放された私は一筋の光に救われた

「自由登校なら、いつ登校するのかは俺の勝手だ。それよりも聞いてたか?赤羽雪菜がお前にリベンジマッチをしたいと言ったんだ。見届け人は俺がする。もしここで断るようなら、お前は負け犬確定だ」


「蓮さんを負け犬呼ばわりするとかサイテー!!アンタが何者でも今の発言は許されないし!」


「よせ真麗奈」


「蓮さん?」


「ゼウスはオレらMoonより格上なんだ」


「蓮さんだってMoonの総長なんだから偉い立場なんじゃないの?」


「ゼウスに楯突いた連中の末路はオレでも知ってる」


さっきまで私に強気だった蓮が凪さんの言葉で大人しくなった。真麗奈の前だから必死に強く見せようとしているけれど、私には恐怖が伝わってくる。


そこには私の知らない凪さんが存在していた。やっぱりゼウス組はどの組からしても恐ろしい存在なんだ……。


「オレは負け犬じゃねぇし!雪菜、リベンジマッチの日にちは追って連絡する。いいか?リベンジマッチをそっちから仕掛けた以上、逃げるんじゃねぇぞ!」


「今さら逃げたりしない」


「理不尽な追放をした負け犬が雪菜を呼び捨てするな。最低なのはMoonの総長のほうだろ」


「あぁ!?テメーには関係ねぇだろ!」


「ゼウスの総長が雪菜を気に入ったんだ。今日から雪菜はゼウス組の姫だ」


肩を抱かれ、私は凪さんとゼロ距離になった。凪さん、近すぎますっ。って……今日から私がゼウスの姫!?