姫を追放された私は一筋の光に救われた

「やだぁ〜。逆ギレ?真麗奈(まりな)こわ〜い」


「姫がいないとオレの立場がねぇし。姫がいない総長とかカッコ悪いだろ?」


「……」


飾りと言ってたのはそういうことだったのね。それなら最初に言ってほしかった。
私は姫に選ばれたとき、すごく嬉しかったのに。友達だと、家族同然だと思ってきたのに蓮はそう思ってなかったんだ。


「それなら真麗奈を姫にすれば良かったじゃない」


「オレもそうしたかったさ。だけど14になるまでは姫にできないルールだからな」


「そう、だったわね」


Moon組は少し特殊で代々Moonの姫は14からと決まっている。

真麗奈はつい最近まで13だった。だが、誕生日が来て14になったのだ。

私は真麗奈が14になるまでの代わりだったんだ。


おかしいな。悔しくて殴りたいはずなのに今は怒りを制御できている。

それもきっと二人のお陰。最初から私のことなんて見ていなかったと思えば、自然と怒りも湧いてこない。