姫を追放された私は一筋の光に救われた

☆☆☆

「わー!遅刻するー!!」


遅刻だけは許されない。一限目は数学だし。数学の先生は厳しいことで有名で、遅刻した生徒にその日の授業の問題全部当てるんだもん。そんなの絶対にイヤだ。


「っ……蓮」

学校に来て早々、会いたくない人に会ってしまった。


「気安く呼んでんじゃねぇ」


「あ、部外者の雪菜お姉ちゃんだ。Moonの姫を追放されたから、てっきり学校も退学したと思ってたぁ」


語尾にハートをつけるような話し方で真麗奈(まりな)は私をバカにしてくる。

こんな対応されたら、姉妹として傷つく、な。蓮は蓮で追放する前の態度とは打って変わってコレだもんな。

あまりの豹変ぶりに私が姫であったことすら夢だったのでは?と疑ってしまう。


「二人とも。ち、遅刻するよ」


「Moonの姫が授業なんて、かったるいもの受けるわけないじゃん。それに今から真麗奈たちは会合なの。今日、真麗奈が姫であることをMoonのメンバーに紹介するの。雪菜お姉ちゃんがいなくなった昨日、挨拶回りに行ったんだけど皆歓迎してくれたよぉ」


「真麗奈が姫になって皆嬉しいんだ。こんな飾りよりもな」


「っ……。なら、飾りの私をどうして今まで姫なんかに……」


思わず殴りかかりそうになったが、あと一歩のところでおさえた。えらいぞ私。