姫を追放された私は一筋の光に救われた

「一瞬見ただけで強いかどうかなんてわかりません。それに私よりも妹のほうが可愛くて美少女です」


こんな時にすら素直になれない。信じていた蓮に酷いことを言われて卑屈になってしまった。


妹の真麗奈は可愛い。見下され、どんなに暴言を吐かれても、私にとっては大事な妹なんだ。


「こんなことで諦めてたまるかって、そんな目をしていた。お前の妹がどれだけ可愛いかなんて俺には関係ない。俺は雪菜に言ってるんだ」


転んで泥だらけになったとき、私ってばなんて惨めなんだろうって、そう思った。

なのに、凪さんには私が強く見えたの?


だったら、凪さんの期待に応えたい。凪さんは妹ではなく、私を見てる。それだけで十分幸せで嬉しい。


「お前が自分自身を卑下するなら、俺は雪菜が自信をつけるまでお前を褒め続ける。雪菜、お前は可愛くて美人だぞ。仮に彼女なら今すぐ襲いたいくらいだ」


「それはダメですっ!」


「わかってる。雪菜が嫌がることはしない」


やっぱり凪さんは優しい。第一に私のことを最優先にしてくれる。


あぁ、出会うなら蓮よりも先に凪さんに会いたかった。そう考えてしまう私は嫌な女なのかな?