姫を追放された私は一筋の光に救われた

「雪菜が喧嘩相手にリベンジマッチを仕掛けるなら、まずは作戦会議からだな」


「今さらですけど、凪さんに手伝ってもらうのは申し訳ないです」


一人だと怖くてリベンジマッチをしようだなんて思いつきもしなかった。けど、凪さんと話したお陰で蓮たちに立ち向かう勇気をもらえた。それだけでも私は凪さんに感謝している。


「雪菜が一人でリベンジマッチをしに行ったら喧嘩相手に何をされるかわからない。それこそ不正をされる可能性もある。雪菜が勝った時に見届ける人物が必要だろ」


「私、喧嘩相手に勝つ自信なんてないです」


「お前なら勝てる。俺は雪菜が勝つ姿を誰よりも近くで見ていたいんだ」


「なんでそこまで……」


出会ったばかりの私にそこまでの信頼を置いてるのは何故なの?私はMoonの元姫であることを言えてないのに。


「誰よりも強くて、世界で一番綺麗なお前だからこそ助けたいと思ったんだ」


「っ……」


まるで恋人に吐くみたいな、甘いセリフ。出会ったばかりなのに好きになってしまいそう。凪さんの優しさに触れた時点で私はもう凪さん以外の男の子は目に入らなくなった。