姫を追放された私は一筋の光に救われた

「俺の所属する部活は少し特殊でな。雪菜が良ければ姫になってほしいんだ」


「へ?」


それって私がゼウスの姫になるってこと?


「きっとゼウスの総長も雪菜のことを気に入るから」


「か、考えておいてあげる」


「少し強気になった雪菜も可愛いな」


「なっ……」


「強がってる雪菜も可愛い雪菜も俺以外に見せるの禁止」


「っ!?」


私の口に凪さんの指が触れた。指が触れただけなのに、凪さんに触られたってことが嬉しくて。

ドキドキしていた鼓動がさらに速くなった気がした。


でも、てっきりゼウスの総長は凪さんだと思ってたから、なんか意外。


凪さんから総長に伝えておくってこと?なら、凪さんはゼウスメンバーの中でもそれなりの地位ってことだよね?じゃなきゃ、勝手に決められるわけないし。


ってことはゼウスの総長はやっぱり噂通り怖い人!?

姫になることを考えておくみたいなこと言ってたけど、そんな組の姫になって本当に大丈夫?出会った瞬間、ゼウスの総長に殺されるんじゃ……。