姫を追放された私は一筋の光に救われた

「大きく出たな」


「ダメ、ですか?」


「駄目とは言ってない。喧嘩相手に負けたのがそんなに悔しかったのか?」


「悔しかったです。正直、絶望するくらいには」


「でも、そこで立ち止まらないのは偉いな」


「な、凪さっ……」


「どうした?」


「さっきよりも顔が近いです」


唇が触れそうな程にキョリが近い。

心臓がバクバクいってる!
おさまれ、私の心臓っ!!


「リベンジしたいなら、まずは仮でもいいから俺の所属するチームに入らないか?」


「えぇ!?」


「なにをそんなに驚く必要があるんだ?」


「だ、だって……」


「雪菜が考えてるほど怖い部活じゃない。それに何かあれば俺が守ってやる」


「でもっ……!」


私が一般人だと思ってるから怖がると思ってゼウスを部活だと言ってくれるのは気遣いとして嬉しいんだけど。私、一般人じゃない……。


それに、さっきからナチュラルに名前呼びされてるのも嬉しいし、守ってやるってセリフにもキュンっとなったけど。……じゃなくてっ!!なに余計なこと考えてるのよ私。