姫を追放された私は一筋の光に救われた

「そうですね」


「だから無理に話さなくてもいい。ただ、相手に今後どう接するかは重要かもしれないぞ」


「今後?」


「その感じだと雪菜(せつな)の喧嘩相手は近くにいるんだろ?遠くなら会わなくても済むが、近くならそうはいかない。再会したときに逃げるか、立ち向かうか。今は考える時間も必要だから後回しでもいいぞ」


「……」


考えもしなかった。そうか。姫を追放されても学校では嫌でも会うことになるんだ。


変わってしまった妹。暴言を吐いた蓮。
私はその二人と再会したとき、向き合うことができるだろうか。


今の私は弱い。きっと目が合っただけでも足が震えて、その場から動けなくなる。