あの頃君と歩いた並木道

青春・友情

東 鈴美/著
あの頃君と歩いた並木道
作品番号
1712391
最終更新
2023/12/05
総文字数
0
ページ数
0ページ
ステータス
未完結
PV数
0
いいね数
1
ふと空を見上げると、頬を1粒の雫が伝っていた。
「うそ、、え?あたしなんで泣いてるの?」気づけばそう呟いていた。
凌介と出会ったのは3年前だ。中学1年だったからちょうど3年前の冬に私たちは同じクラスになったことがきっかけで仲良くなった。それで同じ高校に入学したのだ。
でも、実はわたしは凌介に中学2年の頃から片思い中だ。向こうは気づいてないみたいだけれど。
そして、泣いてる私に向かって凌介が優しい声で声かけてくれる。
「なぁ、萌華ってほんと泣き虫だよなぁ。大丈夫か?ま、なんかあったら相談してくれよな!一応、腐れ縁の友達じゃん?」
と彼は笑いながら言った。
友達、、。私はその響きが嫌だった。
気づいてないなら優しくしないでよ、、
そんな事を考えながら 銀杏並木を歩いた。黄色い絨毯のようで涙で滲んだ視界が私には眩しかった。
帰り道、公園を通る途中で凌介の友達の洋平と出会ったので3人で帰ることにした。
「昔、ここでみんなでよく遊んだよな。萌華なんで泣いてんの?」と洋平が言った。
もう涙は枯れていたけれどまだ目が赤かったらしい。
凌介は気づかないところも洋平はいつも気づいてくれる。別にイケメンでもなく運動も勉強も平凡だけど、そこは頼れる存在だ。
私の前を幼なじみ2人が歩いている。
家まで送って貰って2人の背中を見送る。
次の日、ある事件が起きた。
突然、クラスの女子に盗みの疑いをかけられたのだ。浮いた存在の私なんかがそんなこと出来るはずもないが、また幼稚な嫌がらせだろうと思っていると、洋平が「こいつが、そんなことする訳ないだろう?ちゃんと調べてから言えよ!」と言ったので私は目を丸くした。
暫く固まっていると、我に返って「ありがとう、、」としか言えなかった。
意外な行動で衝撃だったけれど洋平が少し格好よく見えた自分に一番驚いた。
せっかく伝えるか迷っていたのにこんな気持ちで凌介に向き合うのは失礼だと思った。今までの記憶を反芻させながら、
「あぁー、もう…自分のことがわけわかんないよ、、」そう言っていた。
そんな矢先、親の転勤が決まった。これで1から自分に向き合ってやり直そうと思った。そしてなるべく早く転校するように言って連絡も敢えて断ち私は姿を消した。あの2人の本当の気持ちなんてわたしには知る由もない。
あらすじ
幼なじみ3人が関わる友情物語。
凌介に片思いする女子高生の萌華と友達の洋平3人が主人公。
とある事件をきっかけに萌華は自分が分からなくなっていた。

この作品のキーワード

この作品の感想ノート

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品のひとこと感想

この作品には、まだ投票されていません。

この作品をシェア

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

pagetop