「…みなとくんが、悪い、わけじゃ…ないの。」




膝にのせている手にぽた、ぽた…と、涙が落ちる。

いや、だ


先輩私の事好きだって、言ったじゃん。

ねぇ、…どうして別れるなんて、いうの…っ

ずっと、同じことを再生し続けるスマホを
前に私は泣きじゃくる。



「…、千代華ちゃん。」



「…さの、、さん」


苦しそうな、唇をぎゅっと噛む佐野さんがこちらを見ていた。



「俺は親友、湊に笑っていてほしい。幸せになって欲しい。それは千代華ちゃんも一緒でしょ?」



「…っ、私と、一緒に、幸せじゃ…だめ、なん…ですかね、…っ、」


「…泣かないで。湊のところ、行こう。」




私の手を引いて、部屋を出る。

小鳥遊くんは、「かなわないな。」そう言って、私たちを呆然と見ていた。



☆☆☆