朝都は生徒会室にいた。教室より手狭な空間。ホワイトボードがあった。ピンク色のウエーブした長い髪の女の子がいた。副会長だ。黒髪のおかっぱの女の子がいた。書記だ。金髪のウエーブヘアのしとやかな女子がいた。
 ドアがノックされた。
 「はい」
 と、朝都。がらがら、と戸があいた。ユキが入って来た。朝都はたった。
 「大川さん」
 と、朝都。
 「東条君」
 副会長と、書記も立った。
 「あの、今日はなんで?」
 「え、ああ、サマーフェスティバルのことなんだけど」
 と、ユキ。
 「あ、ああ」
 「私、手芸部の部長なんだけどお」
 「あ、そうなんだ」
 「サマーフェスティバルに手芸部のブースを出店したいんだけど」
 「ああ、そう」
 と、朝都。
 「すず、頼む」
 「はい」
 すずが紙を出した。
 「手芸部ですね」
 と、すず。
 「はい」
 「あなたが部長さん。お名前は?」
 「大川ユキっていいます」
 「大川ユキさん、どう書きますか」
 「大きいの大に三本の川。ユキはカタカナ」
 「そうですか」
 すずは紙に書いた。
 「手芸部ですね」
 「そうです」
 「どういう形でやりたいとか希望はありますか」
 「販売って形でやりたいんだけどお」
 すずは紙に書いた。
 「あと、何か希望とかありますかあ」
 「ううん」
 「そうですか」
 「わかった。どうするか、決まり次第、そちらに報告するよ」
 と、朝都がユキにいった。
 「うん」
 と、ユキ。
 「じゃあ」
 と、ユキ。
 「じゃあ」
 と、朝都。