5月に、中間テストがあった。
 テストが終わり、結果が廊下に張り出された。3年生がたかっていた。
 「すげえ、また朝都が一位だ」
 と、男子。
 「さすがだぜ」
 男子。
 「すごおい」
 と、女子。
 朝都がたっていた。制服のボタンをすべて外していた。隣に結城まことがいた。青い髪の毛が長く、前髪を真ん中でわけていた。
 「さすがだな」
 と、まこと。
 「ああ」
 「2番はまた大川さんかあ」
 「ああ、同じクラスだけど話したことない」
 そこへ
 「東条君」
 と、ユキが来た。
 「お、大川さん」
 「すごいね。また1位とられちゃった」
 「あ、ああたいしたことないよ」
 「もお、いっつも東条君に1位とられてる」
 「あ、でも、家庭科は大川さんの方がずっとできるし」
 「東条君って家庭科できないんだあ」
 朝都は片手を後頭部にやった。
 「あ、ああ」
 「ふふふ」
 と、まこと。
 「あ、こいつ、僕の友達の結城まこと、それで、こっちは、大川さん」
 「よろしく」 
 と、ユキがまことにいった。
 「よ、よろしく」
 と、まこと。
 「ご、ごめん、僕たち、その女の子苦手でうまく話せなくて」
 「ふうん、なんかかわいい」
 「え、なんかかわいい」
 朝都は赤くなった。
 「じゃあ」
 と、ユキがいった。
 「はあ」
 と、朝都とまことは息をはいた。