大晦日、朝都は野いちご神社にお参りすることとなった。暴走族ワルキューレのメンバー、特攻隊長の結城まこと、特攻副隊長雪野真冬と一緒だった。朝都はセーターを着ていた。
 昼間は三人で遊んでいた。三人はまことの家へ遊びにいった。まことの家はまことのお父さんが野いちご町野いちご商店街で食堂をいとなんでいた。
 店は広かったが客は誰もいなかった。石油ストーブがあるが、寒かった。
 朝都と、真冬は席についていた。
 奥からエプロン姿のまことがお盆を持って出てきた。まことは朝都の前にお盆を置いた。
 「やった、まことのとんかつ定食だぜ」
 と、朝都。大皿にとんかつときゃべつ、ご飯と、お味噌汁があった。箸もついていた。
 「じゃあ、真冬の分も持ってくるから」
 と、まこと。
 「うん」
 と、真冬は微笑んだん。
 「は」
 と、まこと。
 「じゃ、じゃあ」といってまことは奥へ行った。まことのお父さんがのぞいていた。
 「なんだよ、おやじ」
 「いや」
 父親はにやっとしていた。
 「気持ち悪い」
 まことはいった。
 しばらくすると、まことがお盆を持って出てきた。まことは真冬の前に置いた。
 「ありがとう。まことさん」
 と、真冬がにっこり笑った。
 「あ、ああ」
 と、まこと。
 「まことさんのとんかつ楽しみだな」
 「あ、ああ」
 父親がにやにやしていた。
 「な、なんだよ。てめえ」
 と、まこと。
 まことは店の奥へ行った。しばらくすると、まことがお盆を持って現れた。
 そうして朝都と真冬の前に置いた。まことは座った。
 「じゃあ、たべっか」
 と、朝都。
 「うん」
 と、真冬。
 「ああ」
 と、まこと。
 三人は手を合わせた。
 「いただきます」
 と同時に唱えた。
 「礼儀正しいのお」
 と、父親。