チセは大晦日、お父さんと高瀬君と高瀬君のお姉さんと、野いちご町野いちご神社へ行くこととなった。
 チセはお父さん、お母さんと食事をすませた。
 お父さんとチセは準備した。
 お父さんとチセはコートを着た。
 ぴんぽおん
 呼び鈴がなった。
 お父さんとチセは玄関へ行って出た。
 がちゃ。
 「黒田さん」
 と、高瀬君。おしゃれなコートを着ていた。
 「黒田さあん」
 と、高瀬君のお姉さんの高瀬冬。冬がスマホを出して、チセを写メった。
 「な、なにしてんだよお、姉ちゃん。ごめん、黒田さん」
 「あ、別にいいよ」
 「あ、わりいわりい」
 と、冬。
 「はははははは」
 と、チセのお父さん。高瀬君がお父さんに向いた。
 「こんばんは。お父さん」
 お父さんは咳払いした。
 「君にお父さんと言われる筋合いはないが」
 「やっぱ、黒田さんのお父さんだ。かっこいいなあ」
 「え、そうかい。は、ははははは。君、気に入った。お父さんって呼びたまえ」
 「ちょ、ちょっとお父さん、恥ずかしいよ」
 と、チセが小声でいった。
 「お父さん」
 「えーと」
 「高瀬帳っていいます」
 「とばり君かあ」
 「そうです」
 「うん、とばり」
 「お父さん」
 「お、お父さん、何してるの。お父さんは私のお父さんでしょ」
 「あは、そうだった」
 と、お父さんは片手を後頭部にやった。
 チセは高瀬君に向いた。
 「高瀬君も、これは私のお父さんであって、高瀬君のお父さんじゃないから。絶対」
 「えええええええええ」
 「はーはっはっはっ、帳、黒田さんにふられたなあ」
 と、冬。
 「ああああああああ」
 高瀬君は片手を後頭部にやった。
 「じゃあ、行こうか」
 と、冬。
 4人は玄関を出た。