「おい、お前ら、不純異性交遊じゃないだろうな」
 と、声がした。
 高瀬君と、チセが振り向いた。
 「あ、東条先輩」
 高瀬君は笑った。
 東条朝都(あさと)が立っていた。女性のような風貌。目は大きく切れ長。髪は黒髪で真ん中でわけ、えりあしをきれいにしていた。イヤリングをしていた。スタジアムジャンパーを着ていた。
 結城まことと、雪野真冬も一緒だった。まことは、青い髪で長髪、前髪を真ん中でわけていた。真冬はショートヘアで、切れ長な緑色の目をしていた。
 「こんばんは」
 と、チセ。
 「こんばんは、黒田さん」
 と、朝都。
 「こんばんは」
 と、まこと。
 「今年も迫って来たよね」
 と、真冬。
 「こんばんは」
 と、高瀬君。
 「それより高瀬、お前さっき、黒田さんの魔力は神をも凌駕するとか、またわけのわからんこといってなかったか」
 高瀬君は片手を後頭部にやって笑った。
 「あは。だって、みんな黒田さんが神社に来てるだけで、騒ぐんだもん。それってえ、黒田さんの魔力が神を凌駕してるってことだよね」
 と、高瀬君は大きな声でいった。
 「まあ、そうだよな。まっ、神社に来てるだけで、なんか言ってるくだらんやつなんか、相手にせんでいいいさあ」
 と、朝都は大きな声でいった。
 「そうだよねえ」
 と、高瀬君。
 「な」
 と、朝都。
 「ははは」
 と、まことが笑った。
 「ははは」
 と、一同が笑った。