「舞子さんって3年生なんだよね」
予鈴ギリギリに教室に入り、席に着くやいなや、陽菜がやって来た。


「なんだよ、急に」
「舞子さんって3年生なんだよね」


彼女は小声ながら真剣に繰り返す。頷き返すと彼女はついてきてと教室を出ていくので急いで追いつく。

「ちょ、もう予鈴なってるぞ」
「うん、聞こえてる。今すぐ確かめたいことがあるの」


陽菜は大股で速足で歩く。2階まで階段をくだり、資料室と視聴覚室が並んでいる前まで来た。
上から生徒の声が聞こえるが、この辺は誰もいない特別教室が並んでいて静まっていた。