休み明けの模試が終わり、学校での日常が戻って来た。

陽菜のことをちらちらと見ながらも、謝るタイミングを逃し続けていた。


陽菜は恭平の発言を忘れているのではと都合の良い方に思考が流れていきそうなのを食い止める。
謝るべきだと分かっていても、小学生のときのように「ごめんね」とは簡単に言えなくなってしまった。


それが大人になることの一部なんだとしたら、
大人は不自由で、理不尽に人を傷つけてしまう。


そのことが、もどかしかった。