憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。



 手術室に入ってきたのは、

 …………まさかの小川くんだった。

「小川くん、他の先生は?」

 『これなら小川くんの方がマシ』と思いはしたものの、さすがに手術経験がない小川くんには神経付近の腫瘍剥離は危なすぎる。

「他の先生、忙しくされていたので!」

 目を輝かせてやる気マンマンな小川くん。仕方ない。こうなったら、本田先生をなんとかやる気にさせるしかない。

「……本田先生、どうしますか? さっき小川くんには手術ダメっておっしゃってましたよね? 本田先生がやめちゃったら小川くんに頑張ってもらうことになりますけど」

 本田先生は何かを考えて動こうとしない。

「ベリが丘総合病院のオペ室は全手術自動録画されていますし、今ぼくらが喋っている会話だって記録に残りますが」

「…………わ、わかりましたよ。がんばりますよ……」

 震えながらもようやく覚悟を決めてくれたようだ。

「小川くん悪いけど、そこでオペを見学してもらってていいかな。何かあったらすぐ動いてもらうから」

「はい!」