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この患者さんは視覚の範囲が狭くなっていることから、視神経のそばの硬膜から髄膜腫が発生している。この大きさなら硬膜は全摘しなくて済むため、硬膜と腫瘍を剥がして腫瘍を摘出する手術だ。
事前に本田先生と摘出の練習はしたとはいえ、相当神経を使う作業になる。
本田先生に目を向けると、マスク越しに深く息を吐いていた。
「これより腫瘍全摘出を始めます。患者さんは腫瘍により視覚障害を患っております。腫瘍の剥離摘出になります。緊迫した時間になるので物音は一切出さないようお願いします」
本田先生の合図で手術が髄膜腫全摘出が開始された。患者さんの頭部を大きく切開していく。
脳外科医のオペは基本的に手術用顕微鏡を用いての手術となり、今回も顕微鏡を使用して腫瘍を剥離していく。



