なんでここまで必死に私を引き止めるんだろう。
羽倉先生のまっすぐな目を見ると、私は拒絶することができない。
「ご迷惑でなければ一週間だけ一緒にいさせてください」
そう口にするなり、先生の方へ体を向けると羽倉先生は嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ一緒に寝よう、亜矢ちゃん。なにもしないから」
「…………は、はい」
「布団の中にちゃんと入って。もっと体を近づけて」
ぐいぐいと私の体を自分の方に抱き寄せる羽倉先生。
「そんなに密着しなくても。このベッド大きいんで落ちませんよ……」
「俺が抱きしめて寝たいだけだから。気にしなくていいよ」
……き、気になる。
悶々とする私に反して羽倉先生は静かに眠りについてしまった。
長いまつ毛、くっきりとした二重。鼻筋もきれいで、唇もふっくらしている。本当に綺麗な顔だ。
そんな人に抱きしめられているだなんて罰が当たりそうだけど、羽倉先生の胸に顔を埋める。何故だろう、とても落ち着く。
先生のドクドクと脈打つ心臓の音を聞きながら意識が遠のいていった。



