「あとは、サッカー少年でレギュラーだったし、
足も速くて、選抜リレーの選手や長距離もやってたよ。」
私は当たり障りないことを言った。

「先輩、運動神経いいんですね。」
いちいち斉藤くんの方を見て反応していた。
「あとは、あとは・・・?」
小笠原くんは、どんどん聞いてきた。
「もういいだろ。」
斉藤くんがとめようとしたが
「あとはね、モテてたよ。学年1位だったよね。」
私は斉藤くんのほうを見て笑いながら言った。
私も酔っているのか、だいぶ気まずさがなくなってきていた。

斉藤くんは、呆れ顔をしていた。
「わかります。俺も女子だったら先輩好きになる。」
と小笠原くん。

『この子、可愛い。イヌみたい。』

「いや、お前に好きになられても。」
斉藤くんが言うと、
「そんな冷たいこと言わないでくださいよ。」
と言って、斉藤くんにスリスリしていた。
迷惑そうな斉藤くんだったけど、二人のじゃれ合いが可愛かった。