次の日の月曜日。
憧子の学年は3組だけに留まらず、朝からザワついていた。
憧子が3組を目指して廊下を歩いている時、そこかしこから大地のことをウワサする女子たちの声が聞こえてきた。
「ねーねー!超イケメン転校生が1年3組に今日から来るらしいよ!」
「えー!?うちのクラスに来てほしかったー。ホントに3組なの?」
「先週金曜日の放課後、カイドンに連れられて校内歩いてたから間違いないって!」
カイドンとは、3組の担任、海堂先生のあだ名だ。
──すごいな、西嶋くん。3組に来る前からこんなに噂されて…。
「ちょっと、憧子ぉーー!!」
声をかけられて振り返ると、1組のドアから女子3人が出てきた。
小6の時の仲良しメンバー、泉と奈緒と玲香だ。
「今日から3組にイケメン転校生が来るって知ってた!?」
3人がずいずいっと、憧子に迫りながら尋ねてきた。
「う、うん。なんか噂されてるからねー。」
昨日、既に会って仲良くなったなんて、口が裂けても言えない。
「知ってたんかー!いいなぁ。転校生に会ったら後で詳細教えてよ!?」
「うん。わ、わかった。」
3人の気迫に押されながら、憧子はコクコクと頷いた。
3組の教室に入り、自席でリュックの中身を出したりして準備を進めていると、チャイムが鳴った。



