縁結び−変わる勇気をくれた君と、秋の風―


「縁結びの御守りが欲しいんだけど、どれがいいかな?」


「縁結び…?」


──西嶋くん、さっそく好きな人でもできたのかな…。


なぜか少しだけ胸が痛むのを感じながら、憧子は「うーん」と考え込みながら縁結びの御守りたちとにらめっこする。


「この御守りは、どうかな?」


紐を通して飾り結びがされている、五角形の小さな御守りを手で指し示した。


「シンプルで、パッと見た感じ、縁結び守りっぽくないからオススメ。それに、この飾り結び『二重叶(にじゅうかのう)結び』って言って、願いが叶うように思いが込められて結んであるの。」


「お、いいね!じゃあこれください。」


「はーい。…ちなみに、恋愛成就祈願として持つのかな?」


憧子が尋ねると、大地が「あー、うん。」と言って少し照れ笑いをした。


キュッと胸が締め付けられ、少しだけ、苦しい。


「…それなら、もう1つ買っておくといいかも。相手の人に渡してお揃いで持っておくと、神様が縁を結びやすいんだって。」


「そうなんだ!じゃあ、もう1つください。」


大地は、手にしていた鮮やかな青色の御守りに加えてもう1つ、鮮やかな赤い御守りを手にすると、憧子に千円札を渡した。


社務所に入ってお釣りを準備し、大地の方へ戻って「はい、お釣り。」と言ってお釣りを渡した。


「さんきゅ。」


にっこり笑った大地に、憧子は思い切って尋ねた。