縁結び−変わる勇気をくれた君と、秋の風―


「ねぇねぇ、佐敷さん!その髪型かわいいね!自分でしたの!?」


クラスメイトの林瑠奈が、憧子の席に近づいてきて声をかけた。


「う、ううん。美容室で髪切ったらしてもらえて…」


「えー!いいなぁ。どこの美容室に行ったの!?」


「ねぇねぇ、私にも教えて?雰囲気変わったねー!めっちゃ可愛い!似合ってるよー!」


長谷川朋子も、近づいてきて、瑠奈と一緒に憧子のヘアスタイルを後ろから観察し始めた。


「普段もこの髪型、できたらいいねぇ!先生たち、見逃してくれるかなぁ!?」


他の女子たちも集まってきて、憧子のヘアスタイルを見て興奮気味だ。


ちらっと大地の方を見ると、大地とバチッと目があった。


大地が嬉しそうに小さくグッと親指を立ててみせたので、憧子も笑って、小さく親指を立ててみせた。



その後の親睦会では、カイドンが見守る中、みんなでゲームをしたり、お菓子を食べたりして楽しく過ごした。


大地との親睦を深める会ではあったが、憧子自身も、クラスメイトとの親睦を深めることができた会でもあった。


帰る頃にはすっかり仲良くなった瑠奈と朋子と3人で下校した。


──来週から、クラスで楽しくすごせそう。これも、勇気をくれた西嶋くんとお姉さんのおかげだな。


今度、何かお礼しよう、と心に決め、その日は久々に楽しい気分で眠りにつくことができたのだった。