縁結び−変わる勇気をくれた君と、秋の風―


学校に着いて校門をくぐると、2人並んで教室へ向かった。

教室の中からは、クラスメイトの笑い声が聞こえてくる。



イメチェンして、なんと思われるだろうか。



気合い入れすぎ、なんて思われないだろうか。



「佐敷さん」

教室のドアの前に立ち、緊張が最高潮に達しているのを感じながらドキドキしていると、大地が声をかけてくれた。


不安げに見上げる憧子に、大地が言った。


「佐敷さんは勇気を出して変われたよ!だから、変なあだ名で呼ぶ人なんて、もういなくなると思うし、自信持って!なんなら、俺の方が自信満々かも。」


そう言って、いつも通り爽やかに笑った大地の顔を見て、なんだかホッとした。


そして。


大地がガラガラッと扉を開けた。


「みんな、おつかれー!」


「おう、主役がきた!っと…え?」


憧子が教室に入ってきた瞬間、教室の中がざわついた。



「さ…さじきさん?」


「え、変わりすぎじゃない!?」


みんなヒソヒソと話している。


憧子はその場から逃げ出したい気持ちにかられながらも、少しだけにこっと笑うと、ペコッと頭を下げ、とりあえず席についた。


すると。