ドライヤーで髪を乾かすと茉奈は「あら、いいんじゃない!?」と憧子に鏡越し声をかけた。
万年おかっぱ頭だった髪型は、前髪を少し流し、綺麗に段が入ったボブヘアに変わっていた。
「すご…!」
長さはあまり変えず、全体の形を変えただけなのに、印象が全然違う。
「憧子ちゃん、ボブヘアにしたらもっと可愛くなるのにーって思ってたのよ!よかった、気に入ってもらえて。きっとこの髪型なら、袴姿にも映えるよ〜!じゃあ次は…」
茉奈はそう言うと、ヘアアイロンを取り出した。
「ちょーっとだけ、動きを出してみるね!」
ゆるく内巻きと外巻きにしていき、最後に少しだけ髪を後ろで束ねてハーフアップにしてくれた。
「どうだっ!うん、いいねいいね!」
茉奈は大満足の様子で憧子の頭の後ろにも鏡をかざした。
ヘアアクセサリーはついてないが、ハーフアップにされた髪が小さくお団子にまとめられていて可愛い。
ヘアセットが終わったかと思うと、今度は茉奈が「うーん」と言いながら憧子を上から下まで眺めた。
「ちょっとソファで待ってて!」
茉奈はそう言うと「ちょっと外しまーす」と言って店を出て、5分程で帰ってきた。
「ニットを、これに変えよ!」
茉奈が差し出した服は、白いブラウスに細めのベルト。
「最近着てないからあげる!あっちにメイク室あるから、ササッと着替えよ!」
茉奈に促されるまま場所を移動し、ニットを脱いでブラウスに着替えた。
ベルトをつけ、ジーンズの裾を少し折り返す。



