「そんなには話してないかも。宿題のことを聞かれたり、次の教室の場所聞かれたりして、答えはしてるけど、それ以上の話はあんまり…。」
「えー?そうなの?もったいない!」
玲香は、眉根にシワを寄せ残念そうだ。
「そんな言っても…私、そもそもクラスでぼっちだし、転校生と親しげに話してたら何言われるか…。」
「憧子は、自分から殻に閉じこもっちゃってるんだよ!中学に入ってから、なんかいつも元気ないし。周りの目とか気にせず、とりあえず周りの人と話してみたらいいのに!」
元気キャラの泉が、奈緒と玲香に向かって
「ね?ねっ?そうじゃない!?」
なんて言いながら、同意を求めている。
「でもさ、憧子って真面目だから、やっぱり考えちゃうんじゃないかな?相手がどう思うかとかさ。いつも勢いのある泉とは違ってさ、憧子は慎重なんだよ。中学入ってからは、慎重さが増したってカンジ?」
奈緒の言葉を聞いた泉は
「えー?私も慎重な時くらいあるもーん!」
と、元気にスネている。
その時。



