──親睦会、かぁ…。
未だにぼっちな憧子にとっては、あまり気の進まない企画だった。
ホームルームの時間内で大枠が決定し、明日は、それぞれ昼食を食べ、午後から集まることになった。
クラスの何人かが中心となって買い出しやらをしてもらえることになり、憧子は参加するだけの側になったが…
──気が進まないなぁ。どうせぼっちなんだし…。
思わず溜息をつきながら帰り支度をしていると、1組の仲良し3人が教室に入ってきた。
「憧子!もう帰る?」
奈緒が声をかけてきた。
「うん。帰るよー。」
3人の顔を見て、少しホッとしながら憧子が答えると、
泉が「じゃあ4人でちょっと公園に寄って帰ろうよ!」と誘ってくれた。
学校の脇にある小さな公園。
ベンチに座って4人で温かい飲み物を飲みながらおしゃべりをする。
中学に入ってから、放課後たまに集まって話をするのが、憧子にとっての唯一の楽しみだった。
公園内は、赤く色づいたモミジが風に揺れ、秋らしさを演出してくれている。
「憧子、イケメンの斜め前の席なんだね!どう?色々話したりしてる?仲良くなれた?」
玲香がワクワクした表情で質問した。
あとの2人も、手に持っている飲み物の缶で手を温めながら「どうどう?」と言って憧子に顔を向けている。
憧子は、う。と一瞬言葉に詰まりながらも、ポツリポツリと話して聞かせた。



