いつか消えてしまう君と、ずっと消えない恋をした。

 私は彼に気づかれることをおびえながら、静かに答えた。

「蒼井彩葉です」

 答えて彼を見た瞬間、終わった、と感じた。

 神様は優しくない。一番願ってないことを現実にする。

 彼は思い出していた。気づいてしまっていた。

 私は急いで逃げようとするけれど、簡単に彼に腕をつかまれてしまった。

 今だけは、彼の手足が長いことを恨んだ。

 彼は驚き、喜び、そして、悲しみのすべてが混ざった顔をしていた。

 不思議だった。なぜ彼が悲しみを浮かべているのか。

 でも、そんな表情を浮かべていたのも一瞬で、すぐに元の優しい表情に戻っていた。

「彩葉、久しぶり」

「うん」

「元気にしてた?」 

「うん……」

 目の前にいる君は、あの時の君と変わっていなくて、私はいまだに君の顔から目をそらせない。

 お互い何を話したらいいかわからなくて、沈黙が続いた。

「っ……」



 君が、瑛太君が何かを話しかけようと口を開いたとき、ちょうど私が用事があった先生が来てしまった。

 ろくに会話もできないまま、私たちは別れた。