ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

嬢たちの視線を一斉に浴びて体が縮こまってしまっている。
「自己紹介くらいしとけ」

裏口の鍵を開けながら光が言う。
日奈子はかしこまった調子で「こ、小平日奈子です」と、自己紹介した。

一瞬訪れた静寂が心地悪くて日奈子の背中に冷や汗が流れていく。
立ちんぼをしていたときのことを思い出す。

周りの子立ちのほうが自分よりもよっぽど若くて可愛くて、スタイルもよくて。
だから自分なんかがあそこに立っていることを疎ましがられていた。

こうしてお店の中で働くのは始めての経験だけれど、組織になったからこその軋轢は大きそうだ。
日奈子が警戒心いっぱいに他の嬢たちを見ていると、1人の嬢が一歩前に出てきた。

ロングワンピース姿のその人はとても落ち着いた雰囲気があり、危ういところまで入ったスリットからは細くてつややかな足が見えている。

日奈子はゴクリと唾を飲み込んで一歩後ずさりをした。