ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

日奈子には男の顔に見覚えがなく、必死に記憶を巡らせてみても該当する人物はいなかった。
男はそれを察したのか、スーツの胸ポケットから一枚の名刺を取り出した。

それを見た瞬間、日奈子の記憶にひっかかるものがあった。
『これ、今度俺がオープンさせるキャバクラ店なんだ。興味があったら連絡してきて。少なくても、こんなところで体を売っているよりも稼げるぞ』

いつだったか、日奈子が立ちんぼをしているときにそう声をかけてきた若い男がいる。
そのときにもらった名刺と同じものだったのだ。

「どうして俺に連絡してこない」
仏頂面のまま運転を再開する男。

「どうしてって言われても」
日奈子は今まで昼の仕事をしていた。

高級キャバクラ店にも興味はなかった。
「身を滅ぼすくらいなら、連絡くらいしてこい!」