ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

お客さんは更にそれも飲み干して、新しいボトルを注文してくれた。
よし、イイ感じじゃない!?

どんどん酒が進むお客さんを見てヒナは自分の物語をどんどん披露していく。
「だけどこのノアールで仕事をしはじめて思ったんです。私はまだ頑張れるって」

すべて話し終えたヒナはふぅと大きくため息を吐き出した。
お客さんはさっきから無言でお酒を飲んでいる。

もう、ヒナの方を見てもいなかった。
心做しか不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか?

いや、でもちゃんと聞いてくれていたし……。
沈黙の時間が続いたとき、「遅くなってごめんねぇ!」と、他の嬢がやってきた。

ヒナはそっと立ち上がる。
「あれ、どうしたの?」

お気に入りの嬢が席へやってきても反応を見せない男性客に嬢がヒナへ視線を向けた。
ヒナは首を傾げて「どうされましたか?」と、男性客の方へ質問した。

すると男性客はようやく顔をあげて苦笑いをうかべ「いや……別になんでもないよ」と、気を取り直すように言ったのだった。