ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

「他の嬢が空くまでほんの10分間だ。その時間だけ話をつないでくれればいい」
たった10分なら、きっと大丈夫。

見たところおとなしそうな人だし、変に絡まれればすぐにボーイが来てくれるはずだ。
「わかりました」

ヒナは大きく頷いて3番テーブルへと向かったのだった。
「はじめまして、ヒナです」

教えられた通り、席へ座る前にお客さんよりも目を位置を低くして挨拶する。
その時に両手で自分の名刺を差し出した。

男性客はヒナを見てニッコリと笑うと両手で丁寧に名刺を受け取ってくれた。
それだけでホッとする。

お客さんの中には嬢の名刺も受け取らず、目を合わせない人がいるという。
少なくてもこの人はそういうタイプじゃないようだ。

「隣、いいですか?」
「もちろん、どうぞ」