ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

でも、自分がこんな風にキャバクラの仕事を楽しみに感じるなんて、思ってもいなかった。
接客業は未経験だし不安と緊張しかないと思っていた。

それがチップをもらったことでここまで自分が変わるとは思ってもいなかった。
日奈子は鼻歌交じりに寝癖をなおして軽く化粧をした。

ノアールへ出るときには専用のメークをしないといけないから、今は簡単にファンデーションをつけるだけだ。
リビングへ戻り、まだ朝ごはんを作るにも早い時間だと確認すると、日奈子は雑巾を持って再び脱衣所へ向かった。

お湯で雑巾を濡らしてよく絞ってからリビングの壁をふき始める。
料理は全然していないようなのに、掃除はちゃんと行き届いているのが不思議だった。

日奈子が壁を拭き掃除してみてもほとんど汚れはつかない。
「どうやって掃除してるんだろう」

疑問に感じながらも一通りの拭き掃除を終えるころにはほどよく体が温まっていた。
外は寒々しい景色を加速させているけれど、こうして体を動かしていれば部屋の中なら暖房がいらないくらいだ。