ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。

まさか自分がお客さんから声をかけられるなんて思ってもいなかったヒナは呆然としてしまう。
「あ、えっと、私ですか?」

自分のことを自分で指差して確認する。
もしかして他の嬢と勘違いしてはいないだろうかと思ったのだ。

けれどお客さんは笑顔で「そう、君」と答えた。
ヒナは慌てて体ごとお客さんの方へ向き直り、そして周囲を見回した。

突然声をかけられたときはどうすればいいのか、なにも教えてもらっていない。
だけど他の嬢たちはみんな席についていて忙しそうだし、こんなときに限って光の姿も言えない。

とにかく笑顔だ。
そう思って笑顔を貼り付けるけれど、緊張してしまってうまく笑えているかどうかもわからない。