「わかりました」
そう答えると先輩はニコリと微笑み、握手を求めるように右手を差し出した。
「自己紹介が遅れたね。二年の小川匠だよ、よろしく。こっちは同じクラスの蜂須葵」
「あ、えっと……一年の久賀山晶です」
私はおずおずと右手を出し、匠先輩と握手を交わした。
「晶ちゃんね。まずは膝の手当てからしようか?」
救急箱の到着を待つ間、私は実習で使う丸イスに腰掛け、グルリと被服室の中を見回した。
(へー。被服室ってこんな風になってるんだ……)
私のクラスでは家庭科の授業で、まだ被服室を使用したことがなかった。
被服室の一番奥には黒板と教師用のテーブルが一台。教室の中には生徒が使う大きな実習テーブルと丸椅子が等間隔で並べられていた。壁際の棚には収納式のミシンがずらりと収まっている。


