なんなのこれ?私の心臓どうなっちゃったの?
夕暮れで茜色に染まる先輩の横顔に、熱い視線を送っていたその時……。
「やあ!待ってたよ」
校門の前で白々しいほどに明るい声に呼び止められた。
「久賀山さん……だったよね?」
「小鳩先輩……」
私は思わず、一歩後退りした。
その様子を見た葵先輩は訝しげに片眉を上げ、小鳩先輩を睨みつけた。
「あんた、誰?」
「ああ、君……。彼女が着ていた服を作ったデザイナーだよね?最優秀賞おめでとう」
「そらどーも」
同じ二年生ではあるが、二人に面識はないようだ。
ショーのことを知っているということは、小鳩先輩もショーを見ていたのだろうか?
「ショーを見て本当に驚いたよ。まさか、この間告白してくれた女の子がステージに立ってるなんてさ。実は彼女と別れて今はフリーになったんだ。もしよかったら俺と付き合わない?」
「……え?」
小鳩先輩が嘘をついているのは明らかだった。
デカイ女は嫌だって、この耳で確かに聞いていた。
そのせいで私は……。


