私達は、手を取り合ってランウェイを歩いた。
身長差とハイヒールの分だけ、匠先輩を見下ろすことになるけど、そんなの関係ない。
(楽しい……!)
背が高くてよかったと初めて思えた。
ランウェイから見る眺めは、真夏の太陽を浴びた水面のようにキラキラと輝いていた。
ここではおもいきり笑っていいんだ。
笑っていいと、言ってくれる人がいる。
素敵だと、褒めてくれる人がいる。
なんて幸せなことだろう。
私は、精一杯の笑顔で観客に手を振った。
ランウェイからステージに戻ると、中央には葵先輩が立っていた。
「お前ら本当にサイコーだ!」
葵先輩は私と匠先輩の肩に腕を回し、がっしりと抱き締めてくれた。
ジワアっと涙が滲んで、前が見えなくなる。
(うれしいよお……!)
ショーの最後は、三人で手を繋いでお辞儀をした。
こうして、ハニーワークスによる初夏のファッションショーは幕を下ろしたのだった。


