「女子といえば、小鳩が先月のミーティングの後に告られてたな。彼女がいるとか言って断ってたけど」
「同クラの女子とは別れたんじゃなかったっけ?結構可愛い顔してたじゃん。付き合っちゃえばよかったのに……」
「冗談よせよ。あんなデカい女と一緒に歩けるかっ!」

 小鳩先輩は仲間内の笑いをとるように嘲ると、体育館の方に消えていった。
 私は茫然とした。

(ウソ、だったんだ……)

 告白を断られた本当の理由なんて、今更聞きたくなかった。断られた理由が身長なのだとしたら、なおさらだ。

(こんなのってないよ……!)

 出番が刻一刻と迫る中、私はその場から立ち上がることができなくなった。