「うん。だいぶ良くなったね」
「本当ですか!?」
匠先輩から初めてのお褒めの言葉をもらったのは、ウォーキングの特訓を始めて一ヶ月後のことだった。
じめっとした梅雨が終わり、世間はすっかり夏模様。
地獄の特訓を受けたウォーキングも、この頃にはなんとかさまになりつつあった。
両手を上げて喜んでいると、被服準備室の扉がバンっと激しく開け放たれた。
「二人とも……待たせたな!」
連日の無理がたたり、すっかりやつれた葵先輩がトルソーを抱えてやってくる。
「うわあ……!かっこいい!」
「派手に動かすなよ。まだ仮縫いの箇所もあるんだからな!」
ショーを来週に控えた今日、ようやく本番で着る服の試着をさせてもらえて感激した。
今回、ハニワがお披露するのは四着。
私はそのうち二着を着させてもらう。
一着はメンズライクのジャケットと、サルエルパンツのモノトーンコーデ。もう一着は自分で選んだネイビーの生地を使ったビスチェとパニエスカートだ。


